復活の日

SF

こんにちは。ポメラニ・アンパンです。

お久しぶりってことで、僕の最も嫌いな季節が来やがったぜ!!

あちぃぃぃぃーーーー!!!暑すぎる!昨日はどうしても外出しなければならない用事があって駅のホームに立って電車を待っていたんですが、立っているだけで汗がドバドバ出てきてお気に入りのTシャツも一瞬でビチョビチョになりました・・・。

聞けばまだ梅雨明けしてないとか。これ、8月になったらどうなるの・・・?

というわけで、今日も昨日と同じかそれ以上の暑さのため、僕は家でダラダラしつつこの記事をかいておるのでございます。今日は小松左京氏の『復活の日』です。


<あらすじ 裏表紙より抜粋>

吹雪のアルプス山中で、遭難機が発見された。傍には引き裂かれたジェラルミン製トランクの破片。中には、感染後70時間以内に生体の70%に急性心筋梗塞を引き起こし、残りも全身マヒで死に至らしめるMM菌があった。

春になり雪が解け始めると、ヨーロッパを走行中の俳優が心臓麻痺で突然死するなど、各地で奇妙な死亡事故が報告され始めるー。

人類滅亡の日を目前に、残された人間が選択する道とは。著者渾身のSF長編。

作品情報

タイトル復活の日
著者小松左京
発行角川文庫
コードISBN978-4-04-106581-5

本作に含まれる要素

病原菌、パンデミック、潜水艦、南極、空気感染、インフルエンザ、過酷な医療現場、地球、種、存続、滅亡、隔離、冷戦、子孫を残す、ハレム、核兵器、

感想

小松左京氏の作品は今作で初めて読みました。本書の刊行が1975年、今からおおよそ50年近く前に書かれた作品ということにビックリします!なぜなら、コロナ禍を経験した僕らにとって、あの混乱状況を見事に予想したかのような描写がいくつもあって背中に冷や汗を感じます。

内容をかいつまむと、某国が開発した細菌兵器がとある事情で漏洩し、それがまわりまわって大感染を引き起こし、人類のほとんどが死に絶える。しかし、幸か不幸か、南極の基地および、調査偵察任務をおこなっていた潜水艦のクルーは生き延びることができ・・・。

読んでいて心をぎゅっとひねられた描写は、どんどんと人が死んでいく中、各国各地域の放送局が、なんとか声を届けようとラジオ番組を流しています。しかしラジオも一つ、また一つと減っていき、そのラジオパーソナリティーの声も絶えていくのは、物凄い悲壮感です。

人がいなくなり、白骨がそこかしこ積み重なる描写は戦慄しますが、それでも生き残った人々が葛藤を抱えながらも苦難を乗り越えていく・・・そんな話です。

それにしてもこの作品、今の僕たちの世界には起こりえない、と思う要素がほとんど見つけることができませんでした。言い換えれば、起こりうる話です。コロナ禍は2023年7月現時点ではだいぶ落ち着き、世界はコロナ禍前の生活にかなり戻りました。しかし、本作のように、人為的に製造された病原菌が今後世界に拡散されない保証はどこにもなく、僕らの生活は不安定なつり橋の上にあるような気もしてくるのです。

気になったフレーズ・名言(抜粋)

そうだ、人間は、めいめいが思っているより、はるかにはなればなれにくらしている。

復活の日 p.76

最後に、もう一度だけ乾杯しよう。

滅んでしまった世界と、生きのこった南極と……それから私たちのために死んでくれる、君たちのために……

コンウェイ提督
復活の日 p.397

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