こんにちは。ポメラニ・アンパンです。
わ~、もう4月だ!!新学期、新年度ってことで、かくいう僕もお仕事の場所が変わりました。4月3日から新しい仕事場に通い、今日から第2週目が始まりました。まだまだ慣れないことだらけで、研修を受ける身ですが、少しずつ知識を入れてお仕事できる用意頑張っております(-ω-)/
新しい環境になった方は、大勢いらっしゃるのかな。なにかと気を張っていたり、休みにくいこの季節。自分の体調が最優先事項なので無理しないよう、適当に生きるんですよ~。好きなもの食べて、好きな音楽聞いて、好きな本を読みましょう!
さて、今日は久々に日本人の著者の本をご紹介します。以前も紹介したことがある藤井太洋さんの
『オービタル・クラウド』です。
<上巻、裏表紙より抜粋>
2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト<メテオ・ニュース>を運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの2段目<サフィール3>が、大気圏内に落下することなく、逆に高度を上げていることに気づく。シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニア沼田明利の協力を得て、<サフィール3>のデータを解析する和海は、世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれてーーーーーーー日本SF大賞受賞の傑作長篇
作品情報
タイトル | オービタル・クラウド |
著者 | 藤井太洋 |
発行元 | 早川書房 |
コード | 上巻:ISBN978-4-15-031228-2 下巻:ISBN978-4-15-031229-9 |
感想
藤井太洋さんの『Gene Mapper -Full Build-』が素晴らしい作品だったので、著者のほかの作品も是非読みたいと思って積んでいました。ようやく読めた~。
藤井太洋さんの作品らしく、ITエンジニア用語がわんさか出てくるし、軌道やら宇宙ステーションの描写、テザー推進、インターネットの検閲など、今現在存在する技術をふんだんに使ったSFサスペンスです。
ストーリーをネタバレしない範囲で凄く簡単にまとめると、イーロン・マスクのような金持ち親子ロニー・スマークとジュディ・スマークが軌道上に浮かぶホテル<ワイバーン・軌道ホテル>に滞在する一大宇宙イベントがある。彼らは軌道上のホテルに滞在した後、宇宙ステーションに移る。多くのメディアが注目する中、異変に気付く者がいた。
登場人物は、セーシェルの島に住むアマチュア天文写真家オジー、主人公の木村和海、木村をサポートする凄腕エンジニア沼田明利、JAXA職員の黒崎と関口、北米航空宇宙防衛司令部軌道監視室の面々、イランの科学者ジャムシェド博士・・・などなど。偶然のようで必然のような出会いをした彼らが連携し<ワイバーン・ホテル>の危機に挑む。
とまあ、超ざっくり言ってこんな感じです。こっからは僕の感想。
もうね、めちゃくちゃ面白かったです!まず、宇宙に関係する用語や、IT系職種の人たちが使う用語が頻出するも、必ずわかりやすい説明があるのでスラスラ読めます。また、登場人物のキャラが立っている!著者の別作品『Gene Mapper』もそうでしたが、登場人物が一癖も二癖もあるのに、その風貌やしぐさが想像しやすいんですよね。これは、本の読みやすさの一つだと思っています。加えて、映画さながらのスペクタクル!WEBサイトの話やら、明利の超スゴIT技術とか、JAXA職員や研究者の葛藤、イランの学者の苦悩と政府によるネット遮断、技術へのリスペクトと悔しみ・・・。現在僕らが生きる世界情勢を反映した、ほんの少し先の未来を描く世界観。ここでそれぞれの分野のプロフェッショナルが持ちうる限りの力を使って奮闘する・・・娯楽作品のテンプレですが感動します!
最後の読後感も素晴らしかった!細かいことは言いません。とにかく読むことをおすすめします!と同時に、だれか映画化またはアニメ化してください!!本作は映像で観たいよ!!
個人的には本作登場人物でMVPは関口くん!
気になったフレーズ・名言(抜粋)
それでも、青年の研究には大きな一歩が刻まれる。推進剤を用いずに軌道上の物体を移動させる、まだ誰も実用化していない画期的な推進システムが、現実に動く証拠を積み上げていくのだ。
オービタル・クラウド 上巻 p.14
天を仰げば友がいる、というが、まさか生きたままいくとはね
オジー
オービタル・クラウド 上巻 P.54
苦い記憶が蘇る。日本を捨てた友人が熱く語っていたスペースクラフトだが、JAXAにいてすらもう目にすることはない。お情け程度に支給された予算のために、プロジェクトに残された三名の研究者は飛ぶことのない衛星をメンテナンスし続けなければならない。
オービタル・クラウド 上巻 P.184
こういう時こそ、威光をちらつかせないでどうするんですか
関口
オービタル・クラウド 上巻 P.257
博士と一緒に、スペース・テザーのある未来を考えたい。白石さんが残したプランを一緒に実現しましょう、そう伝えてください
木村和海
オービタル・クラウド 下巻 P.243
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